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デザイン:大平高之

切り抜き通信寺子屋 展

2月15日(土)-2月22日(土)12:00-17:00
*会期中2月18日(火)・19日(水)はお休みです。


一日ひとつの切り抜き通信寺子屋展に寄せて

誰もが一度は「行き詰まってる。しんどい・・・。」と弱音を吐いてしまう、モーネの寺子屋・グラフィック工芸コースの課題が「一日ひとつの切り抜き」。雲、カバン、丸など自分で好きなモチーフを一つ決めて、毎日一枚、紙をその形に切りノートに貼ることを一年間続けるというもの。モーネ寺子屋のエッセンスがギュッと詰まったこの課題を、毎月寺子屋に通えない人を対象に通信講座で開講したのが「一日ひとつの切り抜き」通信寺子屋コースで、2010年に始まり今年で5年目になる。

好きなモチーフを自分で好きに切って貼るだけなら楽しくて、苦痛に感じることはないだろう。嫌になったら、そこでやめればいいのだ。ただもしかしたら続けていくうちに、もの足りなさも感じるかもしれない。

物を作る時、見てくれる人の存在はかなり大きい。確かな見る目を持った人が「これいいね」って言ってくれるのが、何よりの励みになるし、あの人をあっと言わせたいという気持ちが、創作の原動力になる。通信寺子屋でその役割を果たすのが、ゆきさんの存在。ゆきさんは、切り抜きの中ににじみ出ているその人らしさを、どんなに小さくても見逃さず、それを増幅させて際立たせていく。

「大きさをとことん小さく」、「色を使わずに白と黒だけで」のように、一人一人に合わせた「処方箋」と呼ばれる制約が、提出する度にゆきさんから課題として返ってくる。「処方箋」は気分が乗り楽しくて仕方ない時もあるし、苦しくて投げ出したくなる時もある。開き直って、もういいやという気分で出したものが、案外「すごくいい!」とほめられたりする。同じモチーフを切ることに飽きて煮詰まった時が、実は自分らしさがあふれ出てくる分岐点なのだ。

制約をかけて切り抜きをすることが、物の見方や切り取り方に変化をもたらす。切り抜きのやり取りを通して自分に向き合い、自分らしさって何かを突き詰めていく。その結果、自分らしさを素直に表現できるようになる。過去の切り抜きノートを見返すと、「うわっこんなの恥ずかしくて人に見せられない」と思えるほどに、自分が成長したことを強く実感できる。

課題をこなすだけでなく、近しい人と手づくりカードを送り合ったり、自分なりの楽しみを見つけ、切り抜きが毎日の生活に欠かせないものになっていく。そうして1年で終わるはずだったこの通信寺子屋も「もっとやり取りを続けたい」というリクエストに応えるうちに、通学コースと同じ3年間完結のコースになった。

1年目は同じモチーフを切り続け、2年目は別のモチーフを探し、切り抜きをデザインソースにして、らくがきスケッチやカードにカレンダーなどの作品を作ってみる。最後の第10回は「切り抜き通信新聞」を作って終了する。3年目は「本」というカタチに切り抜きを貼ってみながら、最後は自分の思う本のカタチを作ってみるという流れで進む。

2013年から始まった「たのしい切り紙」通信寺子屋はもの作りのトレーニング的要素は抜きにして、純粋に楽しみながら切り紙を行うためのコース。毎月15枚のはがきに自由に切り紙を貼って送ると、ゆきさんから処方箋ではなく感想のことばが添えられて返ってくる。それでも1年間の切り紙を通したやりとりの中で、やはり「一日ひとつの切り抜き」コースと同じように、その人らしさがにじみ出てきて、今回から「たのしい切り紙」コースのはがき作品も合わせて展示することになった。

直接会って苦労をねぎらい合う仲間もいない中、1人で向き合う時間が長い通信生の切り抜きはより強く、その人の個性が出ているのではないかと思う。時を重ねるうちにどんどん濃縮されていく、個性豊かな作品をどうかお楽しみください。

グラフィック工芸コース1期生 久保寺 裕美



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by maanenskompis | 2014-02-15 12:00
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